TECHNIQUERAISの技法

暮らしに豊かなぬくもりをもたらす、火の芸術

「ライスの薪ストーブは、単なる暖を取る道具ではない」
ライスの哲学は非常に明快です。磨き抜かれたデザインと職人の技とが融合して生まれ、美しさと高い機能性を兼ね備えた薪ストーブです。私たちはそれを「火の芸術」と呼んでいます。その哲学故、デザイナーや職人は、常に高いハードルを求められています。余分な装飾は削ぎ落とし、ミニマムな装いの先に高い品質を追求する。洗練されたディテールに実用性と審美性を宿します。

選び抜かれた素材

美しさと強さを生み出す、最高品質の素材暖かくて低燃費、クリーンな排気を実現することはもちろん、美しい炎を演出する家具のような存在をコンセプトに持つライスの薪ストーブ。ストーブづくりに対する熱い情熱は使用する素材にも強いこだわりをもっています。

1二重ガラス・IRガラスの採用

炎を美しく見せる大きなガラス面。通常の耐火ガラスでは、火室内の温度が低下してきれいな炎の演出ができない場合があります。そのため、ライスのストーブは火室内の温度を保守するため、機種によって二重ガラスや、さらに効果の高いIRガラスを使用することでキレイな燃焼を実現し、最高の炎を演出します。

24mm厚のスウェーデン鋼

ストーブの要となる鋼板は、世界トップレベルの品質で定評のある「スウェーデン鋼」を使用しています。スウェーデン鉄鉱石が原料のスウェーデン鋼は粘りがあり、軽く、なおかつ強度があります。不純物が少ないため、古くから高級材料として用いられてきました。
ライスでは、一般的なストーブで使用される鋼板より1mm厚い、4mmを主要箇所に使用しているため、蓄熱性と耐久性を飛躍的に高めています。(厚みについて:一部使用する箇所・機種によって異なります)

3成型した高密度のバーミキュライト

保温性に優れ、効率の良い燃焼をサポートすると同時に炎を美しく演出します。板状のものを切って使用することが多い中、金型を作成して機種ごとに高密度のバーミキュライトを作成しています。そうすることで空気の漏れがない気密性が高い火室を成型でき、燃焼力を高めることができます。機種に合わせて模様をつけることで、デザイン性も高めています。

4スムーズな操作性

滑らかな操作性を実現するため、薪ストーブでは稀なボールベアリングを使用しています。ボールベアリングは、大小2つの輪の中に球体を入れることで、接触面を少なくして摩擦力を低減します。エアコントロールレバーやドアのヒンジ部分など動かせる要所に使用することで、軽い力で操作することができます。

ディテールへのこだわり

細部にまでこだわり、緻密な薪ストーブを追求塗装で隠れる部分やストーブ内部の見えない部分にもライスの繊細さが詰まっています。

1精密なレーザー切断加工

スイス製のレーザーカットマシンを導入し、誤差0.1mm以下の精度で鋼板を切断しています。この正確な部材の切り出しがなければ、その後の組み立て作業に大きな支障をきたすため、非常に重要な工程となっています。

2ショットブラスト(塗装前の下地処理)

塗装をしっかり付着させるため、小さな鉄の球体を360°から衝突させて表面の下地処理を行います。まんべんなく下地処理を行うため、数台分をまとめて行うのではなく、1台1台丁寧に処理室で行います。

3強固なロッキング組

鉄板の凹凸をかみ合わせた組み方です。強度が高く、非常に頑丈な作りになりますが、精度と技術力が求められる、とても手間のかかる技法です。

熱き想いと確かな製造技術

人と機械が融和する現場産業ロボットによって一寸の狂いもなく鋼板の切断や溶接作業が行われる一方、機械では難しい作業は熟練の職人による繊細な手作業によってハイクオリティなストーブを作り出します。

1部材の切り出し

1枚の鋼板からレーザー切断加工で、寸分違わぬ形状で切り出しします。1枚の鋼板から無駄がでないように、多くの部材がとれるようにプログラムされています。その正確できれいな切断は、ストーブを組み上げるための要です。

2塗装

1台1台手作業で行っていきます。塗りむらが起こらないように光を当て、人の目で確認をしながら熟練工が仕上げています。

3溶接ロボットシステム

複雑な形状でも効果的に溶接が可能で、切れ目なく続けて溶接をすることができます。人の手では難しい曲線溶接も、とてもきれいな仕上がりになります。

4ガスケットの挿入

気密を保持して余分な空気の侵入を防ぐガスケットの挿入は、非常に繊細な作業です。手作業で、同じ太さで均一にはめこんでいきます。熟練した技術を要します。

秀逸なメカニズム

機能性を高める、緻密な構造ライスの薪ストーブは機能的なインテリア家具としてデザイン性や使いやすさを意識した構造になっています。
エアコントロールレバー

エアコントロールレバー

燃焼用の空気をレバー1本でコントロールできます。燃焼の状況に応じて、一次燃焼・二次燃焼・エアカーテンの空気量を同時に調節し、温度コントールを行います。

【円盤部/火室の底に開いた穴と円盤の凹が重なることで、空気の入る量を調整します。レバー1本で各部に流れる空気量を変えることができます。緻密に計算された空気量で、最適な燃焼を行うことができます。】

1セルフロックシステム

質感と安全性を考慮したセルフロックシステムは、ドアを閉める際に自動でロックします。開ける場合は、レバーの下方を手前に引くことでロックが解除される仕組みになっています。

2エアクールハンドル

ハンドル内部を中空構造にすることで、放熱しやすく、ハンドル部の温度上昇を抑える役割を果たします。

3シェイキンググレート

グレートを揺すって灰受皿に灰を落とすことができ、簡単に灰を処理することができます。

4360°回転

背面下にあるレバーを下に押すことでロックが外れ、ストーブを360°回転させることができます。